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教員・スタッフ
教員

生物地球化学コースでは、北海道大学の「大学院地球環境科学研究院」と「低温科学研究所」の教員が、密接に連携して、大学院教育にあたっています。複雑な地球環境や環境変動の仕組みをフィールドおよびラボワークを通して明らかにするために必要な「基礎」と「応用」を学ぶことが出来るよう、一貫した教育をおこないます。

鈴木 光次 海洋生物地球化学、生物海洋学 力石 嘉人 有機地球化学、同位体生態学
西岡 純 化学海洋学、海洋生物地球化学 山本 正伸 有機地球化学、古海洋学

2023年度コース代表

入野 智久 古海洋学、堆積学、地球化学 亀山 宗彦 化学海洋学、生物地球化学
関 宰 古気候学、気候変動学 滝沢 侑子 同位体生理学、有機地球化学
山下 洋平 生物地球化学 渡辺 豊 化学海洋学、地球温暖化・気候変動、地球化学
飯塚 芳徳 雪氷学、アイスコア、古環境学  *副担当
岩崎 晋弥 古海洋学、微古生物学 宮崎 雄三 大気化学、地球化学、大気環境科学
的場 澄人 雪氷化学、地球化学 *副担当
杉本 敦子(名誉教授:2021年3月退職) 生物地球化学、水循環科学、同位体水文学
教授
鈴木 光次
SUZUKI Koji
海洋生物地球化学、生物海洋学

海洋の物質循環(生物地球化学)過程における生物の役割を定量的に評価することを目指しています。現在、特に北太平洋とその縁辺海(オホーツク海、ベーリング海など)における植物プランクトンや海氷微細藻類(アイスアルジー)の群集構造と動態、およびそれらと生物地球化学過程とのかかわりに注目して研究を行っています。

主な研究課題
  • 生物による海水中の炭素および窒素固定速度の見積もり
  • 分子マーカーを用いた海洋植物プランクトンの群集組成および代謝活性の評価
  • 商船観測や衛星リモートセンシングを用いた海洋生物地球化学パラメータの時空間変動解析
力石 嘉人
CHIKARAISHI Yoshito
有機地球化学、同位体生態学

生物や堆積物などの環境試料に含まれる有機化合物の組成と安定同位体比に変動をもたらす基礎過程の解明と、それに基づく地球表層環境における物質・エネルギー循環系の解明に貢献する。またその実現のために、有機化合物の分子レベル/分子内安定同位体比分析法の新規開発と、それを応用した新しい方法論の開発を行う。

主な研究課題
  • 生態系における生物の栄養段階とエネルギーフローの解明
  • 生物の環境変化(季節変化・飢餓・よそ者の侵入)への適応力の解明
  • 有機化合物の安定同位体比測定法の新規開発
西岡 純
NISHIOKA Jun
化学海洋学、海洋生物地球化学

海洋化学的な微量金属元素分析技術を用いて、微量栄養物質と植物プランクトン増殖に関する研究を展開し、オホーツク海、カムチャツカ海流、親潮域および西部北太平洋亜寒帯域から成る環オホーツク圏の物質循環を理解していくことを目指しています。

主な研究課題
  • オホーツク海ー親潮海域間の栄養物質の交換量の定量的把握
  • 海水中の鉄の化学形態と生物利用能
  • 親潮域に生息する植物プランクトンの鉄分要求量の評価
山本 正伸
YAMAMOTO Masanobu
有機地球化学、古海洋学

柱状堆積物に含まれる有機分子(バイオマーカー)を用いて過去の気候変動を復元しています。また、バイオマーカーとその炭素・水素同位体を用いた新たな古気候指標の確立を進めています。気候変動のメカニズム、気候変動と歴史の関係を明らかにしてゆきたいと考えています。

主な研究課題
  • バイオマーカー水素同位体比を用いた過去の降水量復元
  • アーキア起源脂質を用いた古水温復元
  • 歴史時代気候変動の復元
准教授
入野 智久
IRINO Tomohisa
古海洋学、堆積学、地球化学

深海底堆積物コアを用いて、過去数十万年間の陸上気候・海洋環境の変動を数百年から数千年オーダーの時間解像度で復元し、両者の相互関係を研究しています。堆積物中のアルミノ珪酸塩成分の粒度・鉱物・化学組成および炭酸塩成分の酸素・炭素同位体比分析を主要なツールとしています。

主な研究課題
  • 北太平洋域における表層水酸素同位体比変動
  • 北太平洋域における炭酸カルシウム溶解量の変動
  • 日本周辺海域への黄砂・河川流出懸濁物・流氷運搬砕屑物フラックスの定量的復元
亀山 宗彦
KAMEYAMA Sohiko
化学海洋学、生物地球化学

海水中の微量気体成分の高精度分析によって海洋表層におけるその生成・消費過程や分布に関する研究に取り組んでおり、地球環境に対して海洋起源の微量気体が与える影響を明らかにすることを目指しています。

主な研究課題
  • 海洋表層における雲凝結核前駆物質の動態把握
  • 室内培養実験による微量気体成分の生成・消費過程の検討
  • 海水中微量気体成分の簡易測定法の開発
関 宰
SEKI Osamu
古気候学、気候変動学

様々な時間スケールの過去の気候変動の解析から地球の気候システムのメカニズム解明をめざしています。そのため、海洋、湖沼堆積物やアイスコア中の代理指標を分析し、古気候・古環境変動を復元しています。特に北太平洋高緯度や南大洋、全球的な気候変動のメカニズムの解明に関心を持っています。

主な研究課題
  • 十年規模の気候変動
  • 数千年から数万年規模の気候変動
  • テクトニックスケールの気候変動
滝沢 侑子
TAKIZAWA Yuko
同位体生理学、有機地球化学

環境中に存在する(特に生物がよく利用している)有機化合物が、何を起源として、どのように合成され、その後どのように分解(利用)されていくのか?を定量的に理解するために、「安定同位体」というツールと、生理学・生化学のような「ミクロな視点」から地球・生態系のエネルギー循環を含めた「マクロな視点」をもって解明することを目指しています。

主な研究課題
  • 有機化合物の安定同位体比を決定する生理学的プロセスの解明
  • 植物または動物(特に寒冷域に適応できる)種の生体内における、貯蔵性物質利用の定量的理解
  • 生体内または環境中に存在する有機化合物の合成/分解のバランスの評価
山下 洋平
YAMASHITA Youhei
生物地球化学

生物地球化学サイクルにおいて重要な役割を有する非生物体有機物の動態解明を目的に研究を行っている。特に水圏における溶存有機物に着目し、土壌から渓流への移行過程、陸域水圏(河川・湖沼・湿地)における生成・分解過程、沿岸域における陸起源成分の除去過程、海洋における難分解性成分の生成過程に関して、定量および定性的手法を用いて研究を行っています。

主な研究課題
  • 溶存有機物の化学的性質と反応性(生物学的・光化学的分解性など)に関する研究
  • 難分解性溶存有機物の生成メカニズムに関する研究
  • 沿岸域における陸起源溶存有機物の挙動に関する研究
渡辺 豊
WATANABE Yutaka
化学海洋学、地球温暖化・気候変動、地球化学

大気・海洋・陸の物質循環の解明に関する研究、人間活動起源二酸化炭素と窒素の海洋への吸収に関する研究、二酸化炭素モニタリングシステムおよびアルゴリズムの研究開発、地球温暖化による大気海洋環境変動解明とその影響評価に関する研究を進めています。最終的な目標は、環境変動に対して地球がどのように応答するのかを明らかにすることを目指すことにあります。

主な研究課題
  • 溶存気体を用いた海水中の窒素収支の解明
  • 全海洋の人間活動起源窒素の見積りとその変動の解明
  • リアルタイムな海洋のpHのモニタリング手法の開発と海洋の酸性化進行の解明
  • 人為起源二酸化炭素の海洋の吸収量の見積り
  • 天然放射放射性核種を用いた沿岸海域から外洋への物質循環変動の解明
  • 福島原発事故由来の放射性物質の海洋中への広がりの解明
飯塚 芳徳
IIZUKA Yoshinori
副担当:雪氷学、アイスコア、古環境学
主担当:雪氷・寒冷圏科学コース

専門は雪氷学です。主に極域の氷コア(アイスコア)などの雪氷に含まれる不純物の研究をしています。在学中にアイスコアの低温室での氷加工、分析、結果の解釈(やるきがあれば論文化)のひととおりを習得することができます。分析方法に関しては、雪氷を昇華させて微粒子を抽出する装置が固有兵器ですが、アイスコアの教科書に書いてあるような分析方法ならひととおり指導できます。主担当の寒冷圏コースからはアイスコアに興味を持って、私のところに来てくれる学生さんが多いです。環境変遷学コースからのアイスコア研究ももちろん歓迎します。また、アイスコア以外の雪氷の物理化学的な“変遷”も面白いので、そういった研究テーマも一緒にやりたいです。

主な研究課題
  • 両極の氷床で掘削された氷コアによる過去数十万年前から現在までの地球環境変遷
  • 氷コアに含まれる固体や液体の不純物(エアロゾル)の古環境復元
  • 人為起源物質の変遷に関する研究
  • 氷コアに含まれる不純物を分析する新しい手法開発
  • 北海道地域における雪とエアロゾルの関係
助教
岩崎 晋弥
IWASAKI Shinya
古海洋学、微古生物学

現在よりも寒かった氷期に、大気中の二酸化炭素濃度が低下した分の炭素はどこに貯蔵され、その後どこから放出されたのか?をテーマに海洋炭素循環の復元に取り組んでいます。そのために海洋プランクトン化石の群集・形態・化学分析による古環境復元や新しい環境指標の開発を行っています。海底堆積物コアや現在の海洋から採取されたプランクトン化石の分析を通して、グローバルな炭素循環メカニズムの理解を目指しています。

主な研究課題
  • 氷期-間氷期スケールの深層水炭素貯蔵量の定量復元
  • マイクロフォーカスX線CTを利用した深層水炭酸イオン濃度指標の開発
  • 海洋酸性化が炭酸塩生物骨格の与える影響評価
宮崎 雄三
MIYAZAKI Yuzo
大気化学、地球化学、大気環境科学

対流圏大気エアロゾル中の水溶性有機成分の化学特性や排出源、生成プロセスに関する研究を行っています。最近は特に陸上植生・海洋生物起源の有機エアロゾルを介した大気-生物圏の様々な相互作用に強い関心を持ち、関連したいくつかの研究テーマに取り組んでいます。新たな大気エアロゾル測定・化学分析手法の確立も模索しながら、地表・船上観測等の野外観測と室内実験を中心に有機エアロゾルが地球の放射場や炭素・窒素等の物質循環に与える影響の理解を目指しています。

主な研究課題
  • 海洋表層における大気有機エアロゾル生成プロセスの解明
  • 森林植生と大気エアロゾル・気体成分の相互作用に関する研究
  • 海洋・陸域生態系に由来する大気反応性窒素の生成過程に関する研究
的場 澄人
MATOBA Sumito
副担当:雪氷化学、地球化学
主担当:雪氷・寒冷圏科学コース

雪氷圏で採取される試料の化学成分分析を通して、大気・雪氷間の物質循環、古環境の復元などの研究に興味を持っています。最近はグリーンランド、カムチャツカなどの氷河・氷床を研究フィールドにしています。また、冬期は低温科学研究所の裏で積雪の観測を毎週行っています。

主な研究課題
  • 山岳アイスコアを用いた小氷期以降野環境変動復元
  • 融雪や昇華に伴う積雪表面上の不純物濃縮プロセス
  • 海氷上のフロストフラワー成長に伴う成分組成分別
  • 山岳アイスコア掘削装置の開発
退職教員
杉本 敦子(名誉教授:2021年3月退職)
SUGIMOTO Atsuko
生物地球化学、水循環科学、同位体水文学

シベリア、モンゴルなどのタイガ林や草原、湿地などで観測を行い、水循環・物質循環を、水や炭素・窒素の安定同位体比を用いて研究を行っています。生態系の変動はまた水循環の変化や温室効果ガスを通して地球環境に影響を及ぼします。そのような生物圏と地球環境の相互作用系の解明を目指しています。

主な研究課題
  • モンゴル永久凍土帯南限域の森林ー草原境界の植生と環境の変動
  • 温暖化が東シベリアタイガ林、タイガーツンドラ境界の炭素・ 水循環に及ぼす影響
  • 北海道同位体マップ
博士研究員

本コースでは、各分野より優秀な博士研究員を迎え、ともに研究を進めています。

化学物質循環学分野
  • 李 勃豊
同位体物質循環分野
  • 澁谷 未央
研究支援スタッフ
本コースでの研究・教育活動は以下のスタッフによって支えられています。
化学物質循環学分野
  • 神村 章子
  • 山内 香澄
環境変動解析学分野
  • 坂井 文
  • 武藤 亜紀子
  • シャレク・レナータ・テレサ
  • ノゴビチン・アレクサンダー
大気環境分野
  • 立花 英里
  • 小野 かおり
  • 中村 由佳
同位体物質循環分野
  • 南須原 麻希
環オホーツク観測研究センター
  • 村山 愛子