SLOPE2021サロマ湖観測

久しぶりのブログの更新になってしまいました。

昨年からのコロナ禍によって、2020年夏のAraon北極海航海に乗船できなくなり、 乗船の可能性があった「みらい」も乗船の枠の問題で参加することができませんでした(学生さんは少し乗船できたのですが)。 そのため、計画していた研究の計画も大幅に変更する必要が出てきました。 従来計画していた海氷環境において精密に試料を採取することで硫黄化合物のどうたいを明らかにするという研究は 北極海の海氷の上で行う予定だったのですが、それができなくなってしまいました。 そこで、考えたのが、結氷する湖を使って同じような研究ができないかということです。 良い湖が北海道にはありました。 それがサロマ湖です。

サロマ湖は日本最大の汽水湖であり、オホーツク海に面している極寒の地に位置しているためこの時期は全面結氷します。 そのため、モデルとなる海氷の研究場所として利用されることも多く、北極海の海氷で研究ができない今、 2021年度(つまり来年)の冬にサロマ湖での観測を行う予定にしていました。 と、考えていた矢先に北大水産学部の野村大樹先生からサロマ湖集中観測のお誘いのメールが届き、 すぐに「参加してよいですか?」と返事をしたところご快諾いただき参加することになりました。

SLOPE(Saroma-ko Lagoon Observations for sea ice Physico-chemistry and Ecosystems)2021と命名されたこの観測は2019年に実績があり、 今回当時と同じ観測点を使って様々な観測が行われる予定です。 私は海氷コア、海氷下海水、大気の試料を採取し、硫黄化合物の動態を調べる予定にしています。 が、まずは来年度の観測のための下見(ロジ的なところを確認)するのが一番の目的です。

さて、札幌から5時間、300キロの道のりを公用車でやってきました、サロマ湖。 北海道に15年も住んでおきながらオホーツク海側には一度も来たことがなく、当然サロマ湖も初。 完全に結氷している湖は、何もない、まったく何もない世界に見えました。 今日は朝早くからSLOPEの研究サイト設営や研究装置の設置のお手伝いをしました。 午後は特に私はやることがないので、自身の装置の設置と動作確認をしていました。 明日の午前中に海氷、海水、大気の試料を採取した後、少し処理をして一旦札幌に戻る予定です(大学院入試の対応等があるため)。 3月6日にまたサロマ湖に戻ってその後本格的に観測に参加予定です。 バタバタで準備したのでうまくいくのだろうか・・・正直心配です。

ではでは。

Sohiko