March 2015

3/23 いよいよ佳境

現在 N42 48.84 E145 20.83 いよいよ本航海も佳境に入ってきました。 予想していた通り、観測海域から2度退避するということで予定は大幅に変更されましたが、 それでもみなさん十分な量のサンプルを手に入れているようです。 私は測定の問題があり、恐らく前半のデータは使い物にならない(使えるかどうかの評価は今後)のですが 後半は正しいデータが取れていそうなので、ホッとしているところです。 今日はこれから東大大気海洋研の安田先生のグループの物理観測があり、その後に水採りが1回入ります。 そして、明日の朝一に最後の水採りをして、観測エリアを離脱して東京に戻り航走を開始します。 いよいよ航海も佳境となってきました。 最後の追い上げ、そして片付けがはじまりますが、気の緩みからの怪我だけはしないように用心しようと思います。 というわけで、写真は今回の同室研究員のドイツのGEOMARから乗船してきているChristianです。 彼のサンプルは今朝の採水ですべて終了し、その後の水処理が終わって疲れているのでしょう、ソファで寝ております。 航海は初めてのようで、日本のスタイルになじめないことも多かったと思いますが、 良く頑張っていました。 私も初めて白鳳丸に乗ったのは彼と同じ年の頃だったなぁ、と思い出します。 その時一緒だったメンバーが今回合わせて4人乗っているので、思い出話に花も咲きました。 楽しい航海だったなぁ、あの時は。 ひとしきり仕事が終わったらChristianに航海どうだった?と聞いてみようと思います。 さぁ、もうひとぶんばり! Sohiko

3/16 もう当然の光景になっています

現在 N41 15.13, E145 38.58 安定した天気で観測が続いています。 乗船者の方も本航海のリズムに慣れてきたようで、少し余裕も出てきた気がしています。 これも主席の西岡先生、次席の鈴木先生はじめとした主要な研究者の方が 乗船者の状況を把握して無理なく、かつ最大限のスケジュールを立てていただけてるからだと思います。 非常にありがたいことです。 特に西岡先生は初めて船でご一緒させていただいてから10年以上が経ちますが(当時 私は博士課程の1年生でした) どの航海でもとにかくそのタフさでは誰も勝てないというほど働いています。 誰しもが、「西岡さん、寝てください」と心の中で思っているはず。 ちなみに、実際に言うと、「寝てるよ?」と言うのが容易に想像できます。 さて、今日の写真。 夜中でも海洋観測は行われます。 こちらは採水器を下している時の写真ですが、何かお気づきになりますでしょうか? そう、採水器を保持している方々、全員女性なのです(ちなみに一人は前回の航海の 時に紹介した大森博士)。 この業界、本当に女性が多くなったと思います。 本航海でも10人の研究者が乗船されています。 そういえば3年ほど前に滞在させてもらったカナダのMaurice Levasseur教授の研究室も 学生とポスドクの方、5人中4人が女性でした。 当然になりすぎて、このような話題を出すことすら既に変なのかもしれませんね。 「船は男の世界」というのはとうの昔に無くなっているようです。 というわけで、女性の方もこの業界は大歓迎ですよ。 さて、測定行ってきます。 Sohiko

3/15 快晴!

現在N42 49.97 E144 49.96 久しぶりの更新になってしまいました。 ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、 観測海域の釧路沖に爆弾低気圧が来てしまい退避を余儀なくされておりました。 3日ほど、噴火湾でプカプカと浮かんでおりましたが、一昨日から観測海域に戻り観測を再開しました。 今日は快晴です。 波も非常に緩やかで観測日和です。 この太陽の光をいっぱいに浴びて、そろそろ植物プランクトンのブルーム(急激な増殖)が 起き始めてもいいのでは?などと思っているところです。 私が対象としている溶存気体はブルームの後に出てくる可能性が高く 観測期間中にシグナルを捉えることができるかは不明ですが、ちょっとでも兆候が見えてくれると嬉しいです。 今日は東京大学の安田先生の研究グループが数日前に投入したグライダーの回収が行われました。 ゾディアック(小さい船外艇です)でグライダーを無事に回収できたようです。 写真はその様子をみんなで見ている様子です。 上方の甲板からも大気班もちらほらと・・・。 ではでは、今からまた採水を含む観測が始まりますのでこの辺で。 Sohiko

3/10 ハッチ閉まる

現在 N42 16.81、E141 09.05 観測海域の釧路沖に爆弾低気圧が来るということで昨日の18時頃に海域を離れ退避をはじました。 観測中はさほど揺れも風もなく、本当に嵐は来るのかね?なんて話をしていたのですが・・・。 ・・・大変です。 昨日は夜遅くまで分析装置のキャリブレーションを行っておりましたが、 睡魔に襲われ正確な分析ができないと判断したので2時ごろに実験終了。 終わる前に航海士の方が実験室のハッチを閉めに来たので、そんなに揺れるのかな? と疑問に思いながら就寝。 実験で遅くなることを見越して朝食はキャンセルして昼前まで寝ようと思っていたの ですが、 あまりの揺れに起きてしまい、大丈夫かなぁ・・・と思っていたところ、 同じ大気海洋化学・環境変遷学コース担当の一緒に乗船している山下洋平先生が私の部屋に。 研究室の固縛(装置等々を縄やベルトで固定すること)が甘いとのこと。 行ってみると確かに固縛が緩んでおり、主席の西岡純先生(やはり同じコース担当)や山下先生たち、 観測の強者と一緒に固縛をし直しました。 さすが、固縛の方法も素晴らしく、勉強し直さなければならないと感じました。 来年度あたりに余裕があれば船舶免許でも取ろうかな・・・。 というわけで、もの凄い勢いで揺れており、一時風速25m超となっていました。 当初は苫小牧沖で退避予定だったのですが、避けきれず室蘭沖まで逃げることになり ました。 現在は風速15mほどまで落ち着いてきていますが、海況は悪化する方向のようですので 2日ほど観測はストップということになりそうです。 残念ですが仕方ない。 こういう海域にこそ面白味があるのではないかと信じて天候の回復を待ちます。 ではでは、また。 Sohiko

3/7 KH-15-1次航海が始まりました

現在 N39 38.93、E145 05.93 昨日からKH-15-1次航海が始まりました。 現在釧路沖の観測点に向けて航行中です。 昨日は東京湾を出た後から風が強くなりはじめ、 風速15mを超える強風となり結構揺れました。 案の定、出港間もない揺れできつそうにしている方も何人か・・・。 いつも航海の始まりはこんな状況かもしれませんね。 私は幸い揺れにはさほど弱くないようで現在までのところピンピンしています。 今日、つい先ほど東京大学大気海洋研の博士課程の学生さんの誕生日会をしていました。 彼とはもう同じ船で3回目の航海になるのですが、変わらない純粋さと 随分頼もしくなったなぁという両面を見れてなかなか嬉しいです。 翔太郎君、来年でばっちりドクターとれよ! 多分本人みないだろうけどさ! というわけで今夜未明の2時ごろに最初の観測点に到着します。 しばらくは航行しながら海域の状況を把握するサーベイを中心とした観測で いわゆる「慣らし」観測のような状態が2、3日続きますが、 サーベイが終わったら・・・ちょっと考えたくないぐらい大変な観測になりそうです。 気合入れて頑張ります。 ではでは。また。今度はちゃんと写真撮ってアップします。 Sohiko